『ピクニックの準備』その3

 4/23、渡辺孝好監督によるさくら篇。全て北高にモデルとなっている水戸一高で撮影。
 今回は現実の世界と想像の世界、回想が入り交じるという複雑な構成。
 しかし、前日夜に降って湧いたような不安な出来事が・・・。そうなんです!撮影のメインシチュエーションの体育館が、本来なら午後から使えるという話が、バトミントン部の練習試合で5時までは使えないという事態に・・・。急遽、昼間のうちに撮らなければならないシーンを部活の始まる9時前を目安に撮影する事にさくら役の近野成美ちゃんと校長先生役の田山涼成さんにお願いして中盤のシーンから撮影。今思うとタイトの撮影スケジュールの中、このシーンを朝の時点で撮り終えられたのは不幸中の幸いか。
 その後、校長室前、廊下、倉庫と撮影は進んで行く。こんなタイトなスケジュールといえど、渡邊監督は演技に妥協する事無くテイクを重ねていくが、撮影はテンポ良くすすんで行く。この落ち着きと決断力の早さはベテラン監督のなせる技なのだろう。それに加えて、この日だけ助っ人として入ってもらった助監督の山本氏の仕切りが素晴らしい。監督にプレッシャーをかける事無く、自らの判断で次の準備を進めているところなどは数々の激戦をくぐり抜けてきた敏腕助監督ならでは。
 そして、その後も渡り廊下、回想シーンの卓球部の練習など昼間のうちに撮らなければならないシーンは目白押し。この話の肝になる部分は、さくら役の近野成美が30年前の手紙を読む事でその手紙の書き手A子と一人二役を演じ、回想シーンや想像の世界を行ったり来たりするという複雑な展開。それに伴って、森役の大津君らも30年前の生徒との一人二役を演じている。撮影しているスタッフですら翻弄されて来る。
 そして、体育館地下倉庫でのファーストシーンを終え、メインイベント体育館での再現舞台。ここは体育館のディテールを残しながら別世界に見せたいという希望から水銀灯を点けた状態で、それが薄暗く感じるまで絞りを入れていくという手法をとっている。そのため、照明の光量は想像以上に必要になる。照明の古野もそれを見越して事前にセッティングを組んでいたためスムーズに撮影が始められた。今日中には帰らなければならないという田山さんのシーンを先に終え、高校生達のシーンに・・・。
 撮影終了は0時半。その後、撤収に1時間半かかり2時過ぎに学校を出られた。「あ〜あ、翌日撮休だったらなぁ・・・」という全員の思いに反して翌朝7時出発!良かった、3時間くらいなら寝れる・・・